人の網膜のうち、視神経が通る部分には視細胞が分布しません。そのため、この部分では目の中に入って来た光を受け止めることができません。ここを盲斑と言います。盲斑ではものを見ることができないので、視野の中でものが見えない範囲を調べれば目を解剖しなくても盲斑の大きさを知ることができます。
盲斑の大きさを調べる実験は二人組で行ないます。一人が片目を塞ぎ、もう片方の目で50cm先の記録用紙の一点を見つめます。もう一人が指示棒を動かして行き、指示棒の先が見えなくなった点と再び見えた点を記録します。この作業を繰り返して行くうちに、ある一点を見つめた時にものが見えない範囲が記録用紙の上に記録されて行きます。
こうして盲斑を紙の上に写し取り、その大きさを測定します。更に、目から記録用紙までの距離(今回は50cm)と眼球の直径(約25mm)の比を使って、記録用紙上の盲斑の大きさから網膜上の実際の盲斑の大きさを計算します。