多くの植物では種子を遠くへ運ぶ仕組みが進化しています。例えば、果実に鉤があって動物の毛皮にくっつきやすくなっていたり甘い果肉があって鳥に食べてもらって運んでもらうなどです。風に運んでもらう植物では綿毛や翼がついていることがあります。
大陸から離れた海洋島に自生し、果実を風で散布する植物では、大陸に自生する同種と比較して散布距離が短くなる進化がしばしば起こっています。島では長距離を風に乗って散布されると、果実が島周辺の海に落ちて死亡するリスクが高いでしょう。そのため、散布距離が短い果実の生存率が、長い果実と比較して高くなり、そのような形質の遺伝子頻度が世代を通して増加すると考えられます。
もともと長距離を散布されるように進化してきた形質が、場所が変わっただけで逆方向に進化するなんてことが本当にあるのでしょうか。そこで、風散布果実の模型を利用して、突然変異と自然選択のみによって海洋島への適応が生じるのか確かめてみます。
折り紙で作った果実の模型を落として落下に要した時間を測ります。この時間を飛距離に換算し、落ちた場所を決定します。島の中に落ちた個体を元に、果実の形を少しだけ変化させた子孫を作り、実験を繰り返します。
世代を経るうちに翼が小さくなり飛距離が短くなっていきました。
